紫根(しこん)


ムラサキ科の多年草、紫草の根、すなわち紫根を使った染色


 紫根の染色行程

 @
 紫根3kgをメタノール15gに漬け込み、3日間放置して抽出液をとる。

    紫根は新根であれば温湯でも抽出できる。


抽出液


 A  紫根染に必要な発色剤(アルミニューム塩)として、椿あるいはヒサカキの灰4gを24gの

    温湯に入れ、1日放置して上澄液(灰汁)をとる。


 B  Aでとった上澄液20gを45度付近の温湯40gに入れ、媒染浴を作る。(灰汁の代わりに

    明礬を用いる場合は、結晶明礬120gを60gの温湯に溶かした媒染浴を作る。)


 C  Bの媒染浴に、あらかじめ温湯に下漬けしておいた絹布(4反1.25kg)を入れ、約30分間繰り

    ながら媒染した後、いったん乾かす。

    (明礬による媒染の場合も約30分間でよい。ただし、媒染後、重曹20gを60gの水に溶解

    した液で5分間程繰り、軽く水洗して乾しあげる必要がある。)


 D  @の抽出液8gを水(常温)50gに加えて染浴を作る。


 E  Cで媒染の終えた絹布をDの染浴に入れ、繰りながら約30分間染色した後水洗する。


染色作業中



 F  所定の濃度を売るために、Cの媒染とEの染色を4〜5回繰り返し(随時抽出液を加える)、

    最後にCの媒染浴でさらに5分間程繰り、発色した後、水洗して乾燥する。



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